「最近の fcp」過去ログ フィード

 同じ日付の項目が複数並んでいる場合がありますが、必ずしも間違いではありません。

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2007 年 2 月

2007 年 2 月 26 日 ウィキペディア

 ウィキペディア日本語版のメインページ (トップページ) のデザイン (内容も含む) が 3 月末か 4 月初めから新しくなる予定で、現在新デザインについて議論が行われています。どういう投票方式が提案されているかについては先のページをご覧いただくとして、新デザインを選ぶ投票の投票資格は現時点での提案では次の三つの条件をすべて満たす登録利用者となっています (時刻はすべて UTC)。

  1. 2006 年 12 月 11 日 (木) 09:40 以前から編集を行っている。
  2. 2007 年 1 月 11 日 (木) 09:40 の時点で、 50 回以上編集している。
  3. 2006 年 12 月 11 日 (木) 09:40 〜 2007 年 1 月 11 日 (木) 09:40 の間に 5 回以上編集を行っている。

 いや、わからなくもないのですが、ややこしい! ちなみに僕はどれにも該当しないので投票資格はありません (そのこと自体に不満はありません)。

 いったいこの定義で投票資格を持つ利用者は何人いるのか気になりました。誰がいつどんな編集をしたかというデータは download.wikimedia.org から入手することができます (ただし非常に古いデータと「特定の版の復帰機能」で抹消されたものを除きます)。今回の計算に必要なデータファイルは stub-meta-history.xml.gz です。 Gzip で圧縮されて 349.1 メガバイト、展開すると 2.6 ギガバイトという大きなファイルですが、負けてはいられません。

 僕の資格の解釈やデータの使い方やスクリプトが間違っていなければ、上述の条件に該当する登録利用者は 2,774 人いることがわかりました。ただし、条件 1・2 については非常に古いデータが含まれていないので正確には判定できません。また、「特定の版の復帰機能」で後から抹消された編集を数えるのかどうか僕はよく知りません。なので、この数値はあくまでも参考です。

 ウィキペディア新デザイン選定投票の有資格者のリスト」もどうぞ。

 僕はリンクを張るときに原則として「同じウィンドウで開くか新しいウィンドウで開くか」を指定したくありません。閲覧者の好みやリンクの性質に応じてブラウザーがよしなに判断してくれれば良いのにと思うのですが、残念ながら HTML 4.01 の a 要素には target="_yoshinani" という指定はありません。閲覧者の好みもリンクの性質も数種類しかないと思うので、ブラウザーのメーカーがその気になったら実現は可能だと思うのですが (ただ、閲覧者によっては「本文中のリンクは新しいウィンドウで開きたいが本文以外の (ナビゲーション用の) リンクは同じウィンドウで開きたい」と考えるかもしれず、これは target="_yoshinani" と言われてもなかなか実現が困難かもしれないとは思います)。

 target 属性には「今のページと同じフレーム」を表す _self という値もあるので、 target 属性を指定しなければどのウィンドウで開くかを指定していないことになるのかと思ったのですが、 HTML 4 仕様書 16.3.2 項 Target semantics の記述によれば、 target 属性が指定されていない場合は事実上 _self と同じように振る舞うことになっています。

2007 年 2 月 24 日 ウェブサイト運営

 世の中の出版物で run-in heading がよく使われていても、スタイルシートの display: run-in へのブラウザーの対応状況がちっとも良くないのはなぜでしょう。 Firefox では Bug 2056 として登録されています。

2007 年 2 月 24 日

 今日の占い。「受け」の反対語といえば?

 「投げ」と答えた人: キャッチボールか柔道を思い浮かべているのでしょう。スポーツは健全な趣味とされているので問題ありません。

 「攻め」と答えた人: 剣術等を思い浮かべているのでしょうが、そのつもりがなくても「やおい」 (男性同性愛を題材にした成人女性向け創作) 好きとみなされる可能性があるので注意が必要です (参照: 読冊日記 2003 年 4 月 25 日 (風野春樹さん) の最後の段落)。

 「引き」と答えた人: さすがにそれは反対語ではない気がしますが、「つまらない話をしたら客の引きが良かった」と言うとなんだかポジティブで良い感じです。

 「係り」と答えた人: 手遅れです。僕とは話が合いそうな気がします。

2007 年 2 月 23 日

 何かを理解して答えを知ることは楽しい経験です。

 でも、問題を知り、答えを得ようとしていろいろ考えることは、それ自体楽しいものです。これは人から答えを教えてもらうだけではできません。考えるべき問題が必要なのです。

 答えは問題から生まれます。ある意味で、答えを知ることは、問題を消費することと言えるかもしれません。だから、考えるに値する問題を生み出すことができる人は、答えを導くことができる人よりすごいと思います。

 さらに、問題を生み出す「考え方の枠組み」を作ることができる人は、一つ一つの問題を生み出すことができる人よりもっとすごいと思います。

 矮小なたとえですが、ボールをこうやって投げたら何メートル飛ぶか、という問題を与えられて答えを求めることができるのは良いことだけれど、そういう問題を思いつく人はすごいし、そんな問題を生み出す力学・物理学という枠組みを考えた人はもっとすごい。

 下位の貢献をおろそかにする人には上位の貢献はできないと思うので、決して一つ一つのことを馬鹿にするつもりはありませんが、下位の概念だけに囚われて上位の概念を見失うとやっぱり上位の貢献はできない。そんなことを最近思います。

 何が言いたいのかというと、いろいろあるのですが、一つには、答えを得ようとしていろいろ考えることを放棄して結論に飛びつくのは自分もやってしまいがちなのですが、それって面白いところを放棄しているのでもったいないよなあ、ということです。あと、答えが問題から生み出されるように、問題も枠組みから生み出されて、上には上があるのが興味深いなと。

2007 年 2 月 21 日

 2 月 11 日に公開した某サイト風ウィキペディアで使っているフォントは相変わらず Windows に付いてくる Georgia (Georgia 2.12) です。このページの画像を作るとき、 Georgia フォントで普通に「Wikipedia」と書いたら下のようになってしまいました。

Georgia フォントで書いた「Wikipedia」の文字 (字間調整前)

 普段別にこのフォントがおかしいと思ったことはなかったのですが、この程度大きな字で書いてじっと見ていると、 k と i の間だけくっついているのが耐えられなかったので、少し手で調整しました。実際に上記ページで行った調整の内容とは違いますが、 k の次の i を少し右に動かした図が下です。

Georgia フォントで書いた「Wikipedia」の文字 (字間調整後)

 僕はただの素人でフォントの理屈はよくわかりませんが、両者を見比べると明らかに字間を調整した後の方が読みやすくなっていると思います。できればこういう調整を自動的にしてくれると嬉しいのですが、 OS にくっついてくるフォントにきちんとしたカーニングの情報を要求するのは無理があるのでしょうか。

2007 年 2 月 20 日

遊びをせんとや生まれけん。戯れせんとや生まれけん。

遊ぶ子供の声聞けば、我が身さえこそゆるがるれ。

『梁塵秘抄』巻第二 四句神歌 雑 (山口美佐さんのサイト「つれづれの文車」に紹介あり)

 「フルーツチョコレートパフェ」の内容には一貫性がありませんが、一貫したテーマは「遊び」です。

2007 年 2 月 15 日

 僕が気にしないよう心がけているものの例: 周囲の人の話し声、嫌いな音楽、声が大きいだけでやる気も説得力もない演説、他人の常識外れな行為、迷惑メールの内容、サイトへのアクセス数、スラッシュドットで書いたコメントに対するモデレーション人力検索はてなで回答したときに質問者から送信されるポイントの多寡。

 もちろん、これら以外にも最初から気にしていないものはたくさんあるのですが。 A(6, 6) の値など (ただし A(・, ・) は Ackermann 関数)。

2007 年 2 月 14 日

 僕の好きな色はとくにありません。でも強いて挙げるなら、青でしょうか。 Google の今のデザインの色だから、ではたぶんないと思います。でも無彩色も使い方によっては好きですね。どちらもこのサイトでうまく使えていない色であることに気付きました。テキストの色としては青も黒も出てきますが。

 うまくこのサイトが夏まで続けば、きっと涼しげな演出のために青や緑など寒色を多く使った配色に変えることでしょう。使い方にもよるのでしょうが、今の季節に青はちょっと寒すぎます。僕は暑いのは我慢できても寒いのは大嫌いです。

 ちなみに、好きな音は B♭ です。

2007 年 2 月 14 日 ウェブサイト運営

 角丸長方形なら現在策定中の CSS Level 3 (CSS3) の border-radius プロパティーでできるよ、とか、 Firefox は対応していないけれど代わりに -moz-border-radius プロパティーというのがあるよ、とか、二つは似て非なる動作をするよ、とかいう情報を消息筋 (Google) から入手したので、やってみました。 fcp の発言のリスト。 Internet Explorer 7 では無視されますが、 Firefox 2 だとちゃんと効きます。 Opera でも効くみたいです。どうせスタイルシートはおまけなので、無視されても気にしないことにします。

 それと、昨日あれだけぶーぶー書いた「SVG 1.1 画像を背景に指定しても角丸長方形が作れない問題」も、 CSS3 の border-image プロパティーを使えば解決できるはず、ということも知りました。

 CSS3 は以前ちらっと見ただけで、まだ流動的ということで読んでいなかったのですが、そろそろ一度読んでみる頃かもしれません。しかし、多いなあ……全部読むなんて無理です。

2007 年 2 月 13 日 パズル

 この人の苗字が気になります。「エソドウ」とか「カソザキ」なんて苗字、ありませんよね……。

 条件に合いそうな姓を一つは思いついたので、ほかにないかと思って日本の姓の全国データベースの上位 200 の姓を見たら、それと似た姓で、もっとずっと珍しくて、「ン」に変えたときの人数はあまり変わらないものもありました。

2007 年 2 月 13 日 ウェブサイト運営

 HTML と CSS で要素の角を面取りして角丸の四角を作ろうとすると、方法はいろいろあるのですがどれも面倒です。 Scalable Vector Graphics (SVG) で角丸長方形を描いて、それを要素の背景に指定させてくれればいいのに、 Internet Explorer 7 も Firefox 2 も対応していません。きいい。

 と思ったら、じつはこれは実装者だけが頑張れば済む問題ではないようです。 SVG 1.1 仕様書の 7.2 節7.7 節を合わせて読むと、 SVG 1.1 では画像を適切な大きさに変えて表示する際、全体を拡大縮小することしかできないので、面取り半径を変えないで長方形の大きさを変えることはできないということになるような気がします。僕の SVG 1.1/1.2/2.0 Requirements (2002 年 4 月 22 日版、ってとても古いですね……) の理解が正しければ、画像の一部の大きさを保ったまま全体の大きさを変える機能は SVG 1.2 で盛り込むべきということになっています (4.2.6 節 の第 1 項)。

 SVG 1.2 仕様の策定は遅れまくっていますが、 SVG には期待しているので、作業部会の皆さんは頑張ってください。

2007 年 2 月 13 日 パズル

 1 から 9 までの整数をある規則に従って並べると、 1、 9、 5、 3、 4、 7、 2、 8、 6 になります。その規則とは。ただし、場合によっては 1、 9、 5、 3、 7、 2、 8、 4、 6 です。

 答えがわかっても誰もほめてくれないと思うので、一人でほくそえんでください。

2007 年 2 月 12 日

 現在、移植用臓器の売買は国際法上禁止されていますが、現実には臓器の売買は闇で行われています。この現状が変わるかもしれません。フィリピンで一定の条件の下、外国人に対する腎臓の販売を認める動きが出てきています。 Shikoku News (四国新聞社) の 2 月 10 日付け記事「腎臓提供「謝礼」に賛否 / フィリピン保健省がシンポ」やスラッシュドットの記事「フィリピンで臓器売買合法化の動き」など。

 臓器売買は禁止されていて当然、合法化するなんてもってのほかという人に読んでもらいたい文章が、 47th さんの「Becker が語る臓器移植論」 (1)(2)(3) です。シカゴ大学教授の Gary Becker 氏がブログ The Becker-Posner Blog で書いた記事「Should the Purchase and Sale of Organs for Transplant Surgery be Permitted?」を日本語で紹介してくれています。

 Becker 氏の記事では、経済学の立場から、臓器市場を解禁すれば、臓器移植待ちの患者が今より多く臓器移植を受けることができるようになり、しかも今より適正な価格で取引されることによって提供者に支払われる金銭も増すという論が展開されています。読み返してみると、まっとうすぎて、どうして現状で禁止されているのかがだんだんわからなくなってきて不安になりますが、「だったら臓器市場を解禁するべきだ」という結論に直結できない理由は、「臓器を売買するのは悪いことだから」という倫理観があるからです。

 結局、経済学ってのは倫理と相反するものであって、倫理を重んじるなら経済学者の言うことは無視するに限る? ……ええ、数年前の僕ならそう考えたでしょう。でも、違うのです。上記 (3) より、 47th さんの言葉を引用します。僕が「経済学というのはカネのことしか見ていない悪い学問なんかではない」と気付きかけた頃に、ちょうどそのことをはっきりと書いた言葉を読んだので、強く記憶に残っています。

 この点 (引用註: 「臓器に関して効率的な資源配分を理想とするならば」という万人が同意するわけではない仮定が付いてしまう点) において、 Becker のような経済学的発想に限界があることは否めないように思えます。

 しかし、なお、経済学的には、ある選択肢を制限してしまうことの目に見えないコストが明らかになっていくというメリットがあります。

 「倫理観」の下に臓器売買を禁ずることは一つの見識ですが、そこには臓器売買がなされれば得られたであろう利益を失うというコストの側面があります。

 少なくとも、この「倫理のコスト」…この場合は、臓器市場が成立すれば救われたであろう命については正面から受け止めるべきだろうと思います。

2007 年 2 月 12 日

 一つページを作ろうとしましたが、時間がないのでやめました。何を作ろうとしたかは、下の画像から好きに想像してください。

Wikipedia?

2007 年 2 月 11 日

 某サイト風ウィキペディア。一発ネタのつもりで作り始めたのに、いろいろ考えてしまって中途半端な出来上がりになりましたが、まあそんなもんです。

2007 年 2 月 6 日

 厚生労働大臣の柳沢伯夫氏が出産可能な年齢の女性を「産む機械」とたとえたことが話題になっていますが、その「たとえ」が問題なのかというと、僕は違うと思います (ショッキングな発言ではあるので、ショックを与えないよう配慮してほしいと望むのは理に適っていると思いますが、それは問題の本質ではありません)。問題の本質は、「少子化は女性の責任だ」という柳沢氏の考え方です。問題の本質を見過ごして、本質がショッキングな言葉として顕在化した部分だけを責めるのは、おかしな話です。

 絶対に誰か書いていると思いますが、僕も書きます。

―少子化が続いている。厚生労働大臣の責任をどう考えるのか。

柳沢氏 くだらない質問だ。女性が子供を産まないからいけない。

 (これは一部方面で有名な 2001 年の富士通社長 (当時) の秋草直之氏のインタビューのパロディーであり、実際の発言とは全然違います!)

 Yahoo! Site Explorer を使うと、指定したページにリンクしているページの一覧を表示することができます (当サイトトップページの場合)。 Google にもリンク検索という機能がありましたが (当サイトトップページの場合)、こちらは指定したページにリンクしているページのうちごく一部しか表示されませんでした。 2002 年頃までは Google のリンク検索も完全な結果を返していたような記憶があるのですが、ともかく「今では Google のリンク検索は不完全」というのが僕の認識です。

 その Google がやってくれました。 Google ウェブマスターツールに、自分の持つサイトにリンクしているページの一覧を表示する機能が付きました。詳しくは Google provides backlink tool for site owners (Matt Cutts: Gadgets, Google, and SEO; Matt Cutts さん) を参照。後発なだけあって、 Yahoo! Site Explorer のより見やすくなっています。 Yahoo! とは異なり、自分の持っているサイトへのリンクしか表示されません。

 あとはリンクしてもらえるような文章を書くだけです! (何が。)

 ……と思ったら、 Google の意図に反して自分のサイト以外へのリンクも表示できてしまうという問題が見つかって、この機能は現在使えなくなっています。なんだかつまらない不注意によるミスのような気がしなくもないですが、頑張れ Google。

 ……などと書いている間に復活?


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著者: fcp / このサイトと管理人について