「最近の fcp」過去ログ フィード

 同じ日付の項目が複数並んでいる場合がありますが、必ずしも間違いではありません。

 前の月へ / 次の月へ

2007 年 7 月

2007 年 7 月 28 日

 昨日は「もちろん」と書いてしまったのですが、

 高校が一人の生徒を本人の志望と無関係に何十という多数の大学に合格させることが良いことだとはもちろん思いませんし、

なぜ僕はそれを良いことだと思わないのか、考えてみるとよくわかりません。

 この高校あるいは受験者は何か不正をはたらいたわけではないように思います。入学するつもりのない生徒は受験してはいけないなんてルールはありません (僕は入学する気のない生徒が入試を受験することをあまり好ましく思いませんが、それは別のレベルの話)。大学の側でも入学するつもりのない生徒が受験することは織り込み済みなので、被害はほとんどありません。

 受験料を高校が払ったか生徒 (あるいはその家族) が払ったかの差は、僕は重要でないと思っていますが、それを重要視するとしても、受験料を高校が払ってはいけないなんてルールはありません。同じ高校の他の生徒にとっては、本来別のことに使われるはずだったお金が、合格実績の水増しのために使われたというのは被害かもしれませんが、高校が一年間に使うお金に比べれば微々たるものだろうと思います。

 合格実績の「水増し」というのは、真の実績よりも良く見せかけることだから、水増しされた実績を見て騙された人こそが直接的な被害者かもしれません。それに該当しそうなのは、 (1) 水増しされた合格実績を判断材料にしてこの高校に入学した生徒と、 (2) 水増しされた合格実績を判断材料にしてこの高校に本来以上の指定校推薦枠を与えてしまった大学でしょう。でも、 (1) については合格者数の宣伝だけを見て高校を選ぶわけではないでしょうし、 (2) についてはそもそも僕が指定校推薦の意義をよく理解しておらず、なぜ大学が合格者数の多い高校を優遇するのかわからないので、どちらも僕にはどうも具体的なイメージが湧きません。

 つまり、僕は本件によって具体的に誰かが被害を被ったというような気はしないのです。でも、生徒が高校と協力して、高校からの合格者数を増やすために実体のない出願をしてしまう状況は、なぜか悲しいです。

 僕は、「本来学校というものは教育に全力を注ぐべきだ」などといった固定観念に囚われた「べき論」が嫌いです。でも、今僕が感じるこの水増しへの嫌悪感は、本来的でないことへの嫌悪感のように思います。商業主義とは無縁であってほしい学校という存在が、宣伝のために小細工をするのが気に入らない、というのが今のところもっとも説得力のある説明です。固定観念が嫌いとかいくら言ってみても、結局僕は固定観念に囚われているということなのかもしれません。

2007 年 7 月 27 日

 恥ずかしいことに今日になってようやく知ったのですが、一部の高校で、大学に合格した延べ人数を増やすなどの目的で、生徒にセンター試験のみで合否を決定する多数の私立大学への受験を勧め、受験料を生徒に代わって払っていたことが問題になっているようですね。

 高校が一人の生徒を本人の志望と無関係に何十という多数の大学に合格させることが良いことだとはもちろん思いませんし、それをした高校は当然批判されるべきです。でも他方、高校だけを責めても状況はなかなか改善しないでしょう。高校は何の理由もなく合格者の水増しをしたわけではないのだから、合格者の水増しをするインセンティブが生じるような状況を改善するべきです。どうすればいいのかは難しいのですが。

 日刊スポーツ (ウェブ版) の 7 月 26 日付記事「静岡の私立高校でも有名大受験料負担」に気になる記述がありました (強調は引用者による)。

 静岡県藤枝市の私立藤枝明誠高校 (塙博校長) が受験料を負担し、 2003 年から毎年、成績優秀な 10〜40 人の生徒に志望とは関係ない多数の有名私立大学の学部・学科を受験させていたことが 26 日、分かった。

 同様のケースは関西の私立高校で発覚。塙校長は「合格者の水増し目的ではない」と強調する一方で「合格実績が上がると指定校推薦の枠が広がり、生徒募集に大きな力を発揮すると思った」と話している。来春からはやめるとしている。

 生徒に志望とは無関係な大学を受験させて高校の合格実績を上げることをまさに合格者の水増しと呼ぶのではないかと思うのですが、それはさておき、カネさえ払えば水増し可能な「合格実績」によって大学の指定校推薦入試の枠が決まり、それによって高校の人気が左右されるのなら、高校に合格者の水増しをさせている一因は大学にあるということになると思います。

 最初に書いたように、水増しを行った高校が悪くないなんて思いません。水増しをすると得そうだと思った高校が、そこでぐっとこらえなかったのは、悪いことだと思います。でも、全体を見渡す努力もせず、高校が水増しを行ったことだけを叩いていても、状況は改善しないと思います。一方で、もちろん大学が合格者数によって高校を優遇することを叩いているだけでも駄目で、今度は大学がそういうことをする理由に目を向ける必要があります。どういう理由か僕にはよくわかりませんが。優秀な生徒を学生として取りたいということなら、合格者数ではなく入学者数によって判断するべきでしょうし、受験料による収入が目的なら、受験者数によって判断するべきところでしょうから、高校別の合格者数というのが大学にとってどういう意味があるのか、僕にはよくわかりません。でも、現に大学が合格者数の多い高校を優遇しているのであれば、何の理由もないということはないでしょう。

2007 年 7 月 9 日 日本語

 ボーイング社が 12 年ぶりに新型の旅客機を発表し、シアトルの同社工場で現地時間の 8 日、最初の機体が公開されました。旅客機の名前は「787 ドリームライナー」で、現地の 07/08/07 (2007 年 7 月 8 日) に公開という演出がなされています。

 787 は、同じ大きさの従来機種より「燃料効率が 2 割良い」 (20 percent more fuel efficient) のだそうです。同じ燃料の量で 2 割長く飛べるのと、同じ距離を飛ぶのに必要な燃料が 2 割少ないのとでは違いますよね、などというのは細かい話なのでしょう。

 今朝の NHK のニュースでは、従来機種より「低燃費」「燃費が 2 割良くなった」と言っていました。「燃費」というのは字面では燃料消費量 (あるいは燃料にかかる費用) のように見えますが、少なくとも車の場合は燃料消費量あたりに走れる距離の数値のことを指します。この用法と「低燃費」という言葉は矛盾していますが、そういうもののようです。

 適当にニュースサイトをまわって、「燃費」という言葉の用法を見てみました。燃費が「良くなる」「改善」と表現する例が多い中、 AFPBB News の 7 月 8 日付記事「ボーイング新型機の使用素材、航空機業界に革命か」では、

同素材の採用によって787ドリームライナーは燃費の抑制を実現。ボーイングによると、同機の燃費は同サイズの旅客機に比べ、約 20% 抑えられたという。

と、「燃費」を「距離あたりの燃料消費量」の意味で使っています。

2007 年 7 月 5 日

 先週、 Google ウェブマスターツールの「クロール率」について書きましたが ((1)(2))、今日見たら「多い」が選べるようになって、注意書きの内容が変わっていました。「要素」と「factor」の意味が解明できるかと思って日本語版と英語版を見比べたのですが……。

(日本語版)

Googlebot が、サーバーのリソースを過度に使用しないようクロールする頻度を制限しました。 より多くの Googlebot トラフィックを処理できる場合、[高速] オプションを選択することをお勧めします。

(英語版)

We've detected that Googlebot is limiting the rate at which it crawls pages on your site to ensure it doesn't use too much of your server's resources. If your server can handle additional Googlebot traffic, we recommend that you choose Faster below.

 「要素」も「factor」もなくなっていました。これでは解明できません。残念。

2007 年 7 月 4 日

 「最近の fcp」過去ログが長過ぎるので、分割しないといけないなとは思っていたのですが、リンクを張り直すのが面倒でずっと放ってありました。とりあえず、リンク切れには目をつぶって分割しました。

 「最近の fcp」のフィードは長いままです。 Feed paging and archiving について学んだら、最近の項目とそれ以外の項目に分割するつもりです。

2007 年 7 月 4 日

 1 月にも書きましたが、 Google ウェブマスターツールを使うと、誰かが Google で検索をして当サイトのページが表示された場合の検索語のリストを見ることができます。前回から約半年たったので、今日の時点での旧サイトの統計を載せておきます。サイトの内容がプログラミングに偏ってきたのを反映して、検索語もほとんどプログラミングに関係するものばかりになってきました。なお、新サイトはまだ Google のインデックスにほとんど入っていません。

2007 年 7 月 4 日 日本語

 別の携帯電話会社 (キャリアー) に乗り換えても今の電話番号をそのまま使うことができる「携帯電話番号ポータビリティー」という制度が導入されたのは 2006 年 10 月ですが、僕は最近までこの制度のことを「MNP」と略すことを知りませんでした。 mobile number portability の略だそうです。

 この制度を使って携帯電話会社を換えることを、「MNP する」と表現する場合があるようです。 Google での検索結果は「"MNPする"」が 522 件、「"MNPした"」が 1,530 件です。この表現がどの程度の割合の人に受け入れられているのかわかりませんが、「MNP する」という表現を使う人にとっては、「MNP」は「携帯電話番号ポータビリティー」の略という以外にも意味を持っていることになります (「携帯電話番号ポータビリティーする」とは言わないでしょうから)。

2007 年 7 月 3 日

 Windows 上の Apache でも動くパスワード変更 CGI の書き方」の中のサンプル CGI スクリプトが、サーバーの移行に伴い読めなくなっていました。ありがちなミスです。お恥ずかしい。

 Apache で

AddHandler cgi-script .cgi

のように設定されている場合、ファイルの拡張子の一つとして .cgi が指定されていれば、 .cgi で終わっていなくても CGI スクリプトとして扱われます。 AddHandler ディレクティブによる設定を取り消すには RemoveHandler ディレクティブを使います。


 前の月へ / 次の月へ

著者: fcp / このサイトと管理人について