「最近の fcp」過去ログ フィード

 同じ日付の項目が複数並んでいる場合がありますが、必ずしも間違いではありません。

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2007 年 11 月

2007 年 11 月 14 日

 この前、数式フォントである STIX フォントにひらがなの「の」が含まれると書きました。その理由は今もよくわからないのですが、 Unicode Technical Report #25: Unicode Support for Mathematics でも数式の中に現れる文字の例として「の」が出てくることに気付きました。他の例としてキリル文字の「Ш」 (U+0428 CYRILLIC CAPITAL LETTER SHA) や漢字の「中」 (U+4E2D) が挙がっています。

 僕は、「の」も「Ш」も「中」も数式中で見たことがありません。でも、何となく「Ш」ならあっても良いかもしれず、「の」や「中」だととてもおかしいように感じます。この差にはべつに深い理由があるわけではなくて、見慣れていない字が見慣れない文脈で出てきてもおかしいと思わないけれど、普段見慣れている字が見慣れない文脈で出てくると違和感を覚えるというだけのことでしょう。

2007 年 11 月 7 日

 Thunderbird から Gmail に IMAP で接続して、メールを Inbox フォルダーから All Mail フォルダーに移動しようとしたところ、エラーが出ました。

「警告: 現在のコマンドは成功しませんでした。メールサーバからの返答: No messages match. (Failure)♪.」というエラーメッセージ

 音符付きで failure などと言われても困ってしまいます♫。

2007 年 11 月 7 日

 10 月 31 日、 STIX フォントというフリーの数式フォントのベータ版が公開されました。 STIX フォントプロジェクトの発足が 1996 年なので、ベータ版の公開までに 11 年かかったことになります。

 これまでも TeX 用にフリーの数式フォントが存在しましたが、 TeX 特有あるいは独自の文字コードを使っているためウェブブラウザーなど他のソフトウェアで使うのは困難でした。 STIX フォントは文字を Unicode で表現しており、ソフトウェアを選ばないようになっています。 Unicode に数式用文字が多数追加されたのも、 STIX フォントプロジェクトの成果のようです。

 STIX フォントにはラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字が含まれていますが、日本語の文字は含まれていません。それは当然、と思ったら、なんと日本語文字のうち平仮名の「の」 (U+306E HIRAGANA LETTER NO) だけ含まれています (フォント名「STIXGeneral」)。もしかして、集合論で無限の濃度を表すときにヘブライ語のアレフ (א) を使うように、「の」という平仮名が数式で記号として使われることがあるのでしょうか。

 参考: 数式用のフリーなフォント STIX Fonts がベータテストを開始 (スラッシュドット)、 In Celebration of the STIX Fonts: Was the Product Worth the Wait?: Yes, Most Definitely! (Council of Science Editors 第 50 回定例会発表資料; Barbara Beeton さん、 Tim Ingoldsby さん)。

2007 年 11 月 7 日 プログラミング

 JavaScript 改め ECMAScript の次期バージョンである第 4 版の概要を読んでみました。アプリケーション開発に使いやすいように、静的型検査ができるようになっています。

 ECMAScript 3 では、 obj.func(...) の形ではなく単に func(...) の形で関数を呼ぶと、呼ばれた関数 func の中では必ず this がグローバルオブジェクトになりました。これは func が現在実行中の関数の中で定義されていても同様でしたが、 ECMAScript 4 ではよくある使い方に配慮して、 func が現在実行中の関数の中で定義されている場合、 func(...) の形で関数を呼ぶと this の値が変化しないようになりました。この仕様を知っていればプログラムを書きやすくはなるでしょうが、ますます仕様を知らないと訳のわからない言語になっているように思います。こういう変化って、良いのか悪いのかよくわかりません。


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