「最近の fcp」過去ログ フィード

 同じ日付の項目が複数並んでいる場合がありますが、必ずしも間違いではありません。

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2008 年 1 月

2008 年 1 月 25 日

 1 月 16 日、 Google が iGoogle の外観をカスタマイズする機能「iGoogle Themes API」を発表しました。名前の「API」という部分が気になりました。 API とは application programming interface の略であって、下位層である基本ソフトやライブラリーなどを上位層であるアプリケーションから操作する方法の取り決めのことです。 iGoogle Themes API はテーマを記述した XML ファイルの仕様を定めているだけであって、主にアプリケーションから利用されるわけではありません。テーマを記述した XML ファイルをアプリケーションと捉えれば、 API と呼ぶことは妥当かもしれませんが、現時点では色や画像を現在時刻に基づいて変えることができるというだけの機能しかないわけで、これをアプリケーションと呼ぶのは背伸びだと思います。ただ、今後 Google は iGoogle Themes API を拡張していって、アプリケーションと呼ぶに値するものをテーマという形で作れるようにするつもりなのかもしれません。 (なお、今後誰かがテーマを作るためのアプリケーションを書くとして、そのアプリケーションから iGoogle を操作するための API なのだという説明は成り立たないと思います。 iGoogle はそのアプリケーションに部品を提供するわけではなく、下位層と上位層という関係にならないので。)

 ただ、 Google には技術的に妥当でない名前を使った「前科」があることを思い出さずにはいられません。検索エンジンの中で「キャッシュ」機能を最初に提供したのは、僕が知る限りでは Google が最初で、後から他の検索エンジンも追随しました。しかし、高木浩光さんは「技術用語『cache』が政治的な言葉として拡大利用される」 (高木浩光@自宅の日記) において、 Google 等の検索エンジンがこの機能を「キャッシュ」と呼ぶのは不誠実ではないかと指摘しました。この機能は一時的なミラーであって、「キャッシュ」と呼ぶのは技術的には正しくなく、正しくない呼び方をしている理由はこの機能が著作権侵害であるとの批判を避けるためではないか、という議論です。僕は高木さんの指摘を読むまで検索エンジンの「キャッシュ」という名称に疑問を持っていませんでしたが、言われてみれば、極端な話、「無断ミラー」と書いてあったら Google を使うのすら躊躇してしまいそうです。呼び方が違うだけで同じサービスが良いことに見えたり悪いことに見えたりするなんて、言葉は怖いものです。

 べつに Google が iGoogle Themes API に API という名前を使うことに何か裏があると思うわけではありません。ただ、 Google に限らない一般論として、言葉の正しさを気にしないのが当然という世の中にはしたくないと思います。少なくとも僕は言葉を誠実に使うようにしたいです。

2008 年 1 月 23 日

 「はてなブックマーク等で勝手に批判するのは良くない」とか「IPv4 なんて見切りを付けて IPv6 に移行するべきだ」とかという意見は、現状ではその意見が通っていないので、否定したくなることがあります。でも、現状と違うことを提案する意見だからというだけの理由で安易に考えを否定するのは慎みたいと思っています。現状維持を主張する人と変化を主張する人の言い争いは、現状維持を主張する人の立場の方が強くて公平でないように感じることが多いです。

2008 年 1 月 16 日 ウェブサイト運営

 先日発言のリスト」の各項目に鉛筆アイコンを付けた際に、発言本文の中のリストまで一緒に鉛筆アイコンが付いてしまっていたのを修正しました。適切な li 要素にだけ CSS の list-style-image プロパティーを指定して鉛筆アイコンを付けたつもりだったのですが、 list-style-image プロパティーが継承されることを考慮に入れていませんでした。修正済みです。

 なお、この鉛筆アイコンは IE 7 と Firefox 2 では表示されますが、 IE 6 では表示されないと思います。これは、スタイルシート中で IE 6 が対応していない子セレクターを使っているためです。

2008 年 1 月 14 日 プログラミング 情報発信

 僕はスラッシュドットで「Windows は基本的に OpenType もサポートしている」と書いたことがありますが、これはちょっと語弊があったようです。 Michael Kaplan さんのブログ Sorting it All Out の記事「Looking for the Big O, not just some TT's」と「Microsoft *does* support OpenType!」によれば、 Windows Presentation Foundation を使わず GDI/GDI+ だけを使う場合、 Windows は OpenType フォントの機能の一部をサポートしないので、アラビア語等を正しく表示することができず、このことをもって「Windows の GDI/GDI+ は OpenType に対応していない」と言う場合があるそうです。

 と、このように以前の発言に少し追加したい情報が出てきたときに、気軽に追記できたら嬉しいと思います。スラッシュドットでは技術的には今でもコメントを書けますが (ストーリーが公開されてから半年間くらいはコメントが書けるようになっていたと思います)、基本的には古いストーリーにはコメントを付けないのが普通なので、普通でないことをするのは少し勇気が要ります。

 なので、とりあえずここに書くことで過去の誤りを修正した気分になっておきます。うーん。

2008 年 1 月 14 日

 発言のリストにアイコンを付けました。今のところ、全項目が同じアイコンなので情報量が少ないかもしれませんが。 YO さんがウェブサイト「アイコン王のフリー素材」で配布しているアイコンを改変したものです。

2008 年 1 月 14 日 日本語

 酒類の広告にはよく「飲酒は 20 歳になってから」とか「飲酒は 20 歳を過ぎてから」といった表示がありますが、「20 歳を過ぎる」は 21 歳になることを指すと思います。

 年齢を整数ではなく実数と考えて「ぴったり 20.00 歳になった瞬間を過ぎる」と解釈すれば、「20 歳を過ぎる」で 20 歳になることを指すことも可能かもしれませんが、普通は年齢は整数です。言葉を補って「20 歳の誕生日を過ぎる」とすれば、 20 歳になることとほぼ同じことになります (1 日違いますが)。

 なお、「お酒は二十歳になってから」あるいはそれと同趣旨の言葉を広告に入れることは、業界団体である「飲酒に関する連絡協議会」の「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準」 (2006 年 12 月 15 日改正) で決まっており、「お酒は二十歳になってから」も「飲酒は 20 歳を過ぎてから」も表示の例として示されています。以下抜粋。

II 広告・宣伝関連

1 未成年者の飲酒防止に関する事項

(1) 表示内容

 国税庁告示「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」に基づく場合に準拠するものとし、文言については、例えば「未成年者の飲酒は法律で禁じられています」、「飲酒は 20 歳を過ぎてから」、「お酒は二十歳になってから」などとする。

 20 歳未満の人のの飲酒は未成年者飲酒禁止法という法律で禁じられています。


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著者: fcp / このサイトと管理人について